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鍼灸専門・高木治療院・鍼灸師高木の日記です。
福岡市の鍼灸院 高木治療院
〒810-0022 福岡市中央区薬院1-6-5
ホワイティ薬院302号 高木治療院
旅行 倫敦
2010年11月
その27 再びパディントンへ
この日、私が利用した区間において、地下鉄は混雑していた。ストライキの影響で、不通の路線が多数あるのも理由であろう。
どの路線を使ってパディントンに行ったのか、これを書いている今は忘れてしまったが、とある出来事についてはよく覚えている。
とある駅で乗換え、混雑するホームで次の電車を待っていると、目の前に、学校の制服?を着た若い男子数人が、酒に酔って控えめに騒いでいた。不良、という感じではない。
こんな連中と同じ車両はまっぴら御免だ、2つ隣の車両を待つ列に並びなおした。
列車が到着すると、なんたることか、この若者グループは私と同じ車両に乗り込んでくるではないか。
車内では、私は乗降口脇に陣取ったが、若者グループは、私のすぐ横で輪をつくり談笑している。
彼らとは関わりたくないと思い、彼らに背を向け窓の外を眺めていた。地下鉄なので窓の外は真っ暗闇だったが。
彼らに絡まれそうな気配は無さそうと思い、身体の向きを変え、横目に若者グループを観察することにした。
話し声は当然聞こえてしまうので、盗み聞きするつもりは無かったが、聞いていた。その時の彼らの話題、今は何かのパーティーの帰り、余ったドーナツを持たされて困っている様子。これから遊びに行くのに邪魔なのであろう。なので、そのドーナツを誰かにあげてしまおうとしている所のようだ。
グループのうち1人が、ドーナツが10個以上は入りそうな、クリスピークリームドーナツの箱を脇に抱えている。
若者のうち一人が、私から見て乗降ドアを挟んだ向かい側に立っていた黒人の少年に話しかけた。
まるで宅配ピザの箱のようなドーナツ箱を見せながら、「 これ、あげるよ。 」
黒人の少年は、表情を変えずに目も合わせず、「 No, thanks. 」
ここで間髪いれずに、別の一人がクルッと私の方を向き、いきなり、かつ、にこやかに語りかけた。
「 ドーナツは好きかい? 」
赤の他人が急に心の距離を詰めてくる。この感覚には、毎回、虚を突かれる思いだ。
狼狽した私は、思わず笑ってしまった。私は拒絶するように手を振りながら
「 No,No! Not for me! 」
また別の一人が、車内の一方を指差し、「あそこに親子連れがいるぞ!」
「よし、トライしてみよう!」
・・・・・・・・・・・・
そんなこんながあり、パディントンに到着。
ビール飲む前に、甘ったるいドーナツなんて勘弁です。パブでビールだ、ビール。
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